
相栄電器株式会社では、モーター(コンミテータ)やスリップリング、摺動端子向けのカーボンブラシやトロリーシュー、アース用カーボンシューなど、現在ご使用中の品物の代用品として、相当性能の各種カーボン製品を現物合わせの特注(オーダーメイド)にてお取り扱いいたします。装置の仕様を参考に、最適な相当材を選定して、提案させていただくこともできます。生産中止となった国内製品だけではなく、価格や納期などの面で難のある海外製品の代替品にも対応しております。カーボンブラシ類は、モーターやスリップリング、シューなどの装置の修理・メンテナンス時に交換するケースが多い部品となりますが、相栄電器株式会社で欲しいカーボンブラシをご提供できるかもしれませんので、ご要望がございましたら、見本をご用意の上、お気軽にお問い合わせください。
導入事例: 鉄道空調用モーター、無人自動運搬機(走行&ステアリングモーター用)、クレーンの巻上機、設備移動用走行モーター、撹拌機、溶接機アース用、スリップリングなど。
【お問い合わせから、ご発注までの流れについて】

見本受け渡しの送料のみをご負担いただきますが、見積検討費用につきましては、無償で承っています。
特注カーボンブラシの種類
圧着端子式、はんだ付け式
ブラシ本体に、給電用の圧着端子のついた電線が繋がったものや、電線をホルダーの端子にはんだ付けするもの。ブラシ本体はホルダーの中に収まるが、ホルダーの外の給電部分に端子金具をネジ類で固定するタイプ【スプリングはホルダーに据え付けのものが主流で、ブラシとは別構造】
キャップ式
銅線でつながったブラシ本体と給電用の端子の間にコイル状のスプリングが収まる一体形状のもの。ホルダーの中にブラシや端子などがすべて収まり、ホルダー内の金属部分に端子が触れることで給電されるタイプ【ばね抑えを兼ねたキャップで押さえつけて固定することで、金属端子を給電部分に密着させる構造】端子金具が、汎用ではなく、独自設計の特殊な形状をしたものもあります。
シュー式
端子や電線が付かないものが多く、ホルダーの給電部分に直接ネジ止めするタイプ。(使用例=パンタシュー、トロリーシュー、アースシュー)仕組み上電線が付いたものもあります。
ご提供可能な特注カーボン製品
下記の場合には、貴社ご提供の見本品をもとにして、相当材の品物をオーダーメイドでご用意します。お問い合わせいただく品物の大きさや形状によっては、最低製作数量でのご購入をお願いさせていただく場合があります。ただし、ご用意いただいた見本が、純正品メーカー特有の特注品(ブロック部分の性能が特殊なもの、端子金具の形状が特殊な形のものなど)の場合には対応が難しい場合があります。
取扱い品目の種類
- 直流モーターやスリップリング、シュー製品の製造会社での廃版に伴い、補給部品のカーボンブラシなども供給・生産中止となったもの
- 装置のアース用シュー
- 価格や納期、将来的な供給体制などに難のある海外製品
- カーボンブラシメーカー製作の材質が生産中止となり、入手困難になったものなど
- その他、お持ちの事情を相栄電器株式会社までご相談ください。
検討にサンプル品が必要な理由
カーボンブラシは、モーターのコンミテータやスリップリングなど回転する部品に電気を伝える役目をしていますが、メーカーによって仕様が様々です。昔から使い続けて、現在も使用しているカーボンブラシとの現物合わせで特注する場合には、材質の特定や、ばねや端子金具、電線などの仕様や造作などを調べるために、必ず見本となるサンプルが必要となります。お預かりした見本は、お客様でのご検討状況にもよりますが、すべてご返却します。(使用済み品の廃棄は承っておりません。)
※部品の予備がなく、使用中のブラシを見本としてご提供いただく場合には、仕様確認後短期間でご返却することは可能です。ただし、装置を一定期間止めていただく必要があります。(カーボンブラシの材質を選定するうえで、見本が必要となるからです。)
【預かり見本を基にした、現物合わせの仕上がり具合(before-after)】

【before】
使用済み見本


【after】
現物合わせでの完成品
現物合わせでの検討にあたっての注意事項
- カーボンブラシは、モーターやスリップリング、シューなどの装置の修理・メンテナンス時に使用する交換部品です。見本や装置に関する情報をお預かりすることで、現物に近い相当材でのご案内が可能となります。
- 現物合わせにつき、見本から材質や部品の仕様、造作を確認し、検討可能なものにつきましては、お見積りをご案内させていただきます。ただし、メーカー独自設計の品物など、見本の仕様によりましては、お見積もりのご案内ができないものもありますので、予めご了承ください。
- 検討に際し、【見積希望数量(複数パターンでも構いません。)】【装置の用途】、【ブラシの装着個数】、【装置の定格電流、電圧、回転数(銘板の写真でも代用可能です。)】などの情報が必要ですが、場合によりましては、ホルダー周りの採寸や写真をお願いすることがあります。
- カーボン製品は消耗部品です。弊社では、1個当たりの価格的な面から、推奨製作数量(30個~)のご案内をしておりますが、割高になることをご了承いただければ、少ない数量でのご案内も可能です。ただし、必要最低限の数量(2~4個)ですと、非常に高額となりますので、メンテナンス時の交換分を含めて、まとまった数(10個近辺)でのご購入をお勧めしております。ご依頼時に見積希望数量をお知らせください。なお、弊社提供のブラシは、同じ材質のものでない限りは、性能(特に電気抵抗値など)に差が出ることが多いため、一台の装置の中で、複数メーカーのブラシが混在することはお勧めしていませんので、ご注意ください。(ページ最下段の【使用上の注意点】もご参考ください。)
- ご用意いただく見本が使用済み品の場合には、新品で取付する際に必要なブロック部分の長さをお知らせください。
- 装置の型番や写真では、材質や部品の仕様、造作を確認することができません。特に、カーボンブラシは、ブロック部分の材質が重要な項目となりますが、ブラシ本体に刻印がない場合には、お手元の、仕様書や予備のブラシの現品票や入れ物などに、材質の表記がありましたら、ご提供ください。合わない材質を使用すると、モーターのコンミテータやスリップリングを傷めてしまい、装置の寿命にも悪影響を与えてしまうことがあります。
- 刻印など、材質を示す情報がない場合には、見本の外観から推察される想定材質での検討となります。そのため、これまで品物と比べて、使用感やブロックの減り方などに違いが出ることがあります。
- ブロックの寸法は、適度な遊びを設けたうえで、ホルダーの収納部分に合わせる必要があります。がたつきが大きいと、ブラシ本来の性能を発揮できないほか、相手方の部品に偏摩耗などの悪影響が出てしまいます。見本を拝見したのちに、ホルダーの収納部分の採寸をお願いすることがあります。
- キャップ式のブラシは、ホルダーに入った状態では減り具合の確認ができないため、使いすぎ防止機能を持たせたものが多いです。銅線がいっぱいまで張りつめると、ブロックが相手方の接触面から浮くことで、自然と装置が止まる仕組みになっています。この機能がないと、ブロックに埋め込まれた銅線やばねが、コンミテータやスリップリングに傷をつけてしまうため、弊社では極力この機能を持たせたキャップ式のブラシをご提案しております。この場合、貴社での使い勝手に変化が出てしまうことがあります。
- 見本のブラシは、支障なく安定して使い続けてきたものであることが前提となります。例えば、見本のブラシにやすりの削り跡などの痕跡があるなど、市販品を改造したものについては、本来のブラシの性能と異なる場合がありますので、検討を辞退させていただくことがあります。その見本と同等の品物を製作した際も、純正品と同じ性能をお約束することはできません。
- 【見本発送時の注意点について】見本は、破損防止の養生をしていただいたうえで、配達状況の確認が取れる便をお使いください。普通/速達郵便は、誤配達や紛失、配達遅れなどから、配達状況の確認が取れないため、ご利用にならないでください。発送後数日たっても到着しない場合には、送り主様より、ご依頼先の配送業者まで配達状況のご確認をお願いします。
- カーボンブラシ製品の製作方法は、2種類あります。相栄電器株式会社が取り扱う機械加工による現物合わせのもの(割高にはなるものの寸法や形状の融通が利きやすく、多品種少量製作に対応が可能)と、一度に大量生産ができる専用金型によるもの(1品種を安価に大量生産できる一方で、合う金型がないと寸法や形状についての融通が利きにくい)があります。
特注カーボンブラシの製作実績
圧着端子型、電線はんだ付け型





































キャップ端子型














カーボンシュー(給電用やアース端子用として)










使用上の注意点
- カーボンブラシは、交換のたびごとに相手方の部品(コンミテータやスリップリングなど)とのすり合わせが必要な場合があります。紙やすりを用いる場合のほかに、装置を使用しながら徐々に馴染ませていく方法などがあります。接触面が馴染むまでは、アークが頻発する場合がありますが、馴染みが進むにつれて、次第に発生頻度が減っていきます。
- 性能に差がある、複数のメーカーのブラシを1台の装置の中で混ぜて使用することはお勧めしておりません。電気抵抗値に低いブラシに電流が集中することで、スパークが頻発したりブラシの偏摩耗が起きるなど、コンミテータやスリップリングの寿命に大きな影響を与えてしまうことがあります。古いブラシに十分使えるだけの長さが残っていても全て取り除いて、新しいメーカーの品物に総入れ替えをしてください。(混在状態を続けた場合、発熱が起き、絶縁の樹脂部分を劣化させてしまい、ショート(短絡)を起こしてしまうことがあります。)
- 寸法が同じでも、光沢感や色味が違うブラシを転用してお使いいただくことは、お勧めしておりません。電気的な性能に差がある場合が多く、装置の性能に悪影響を与えることがあります。やむを得ず使用する際には、試運転を行い、ブラシと摺動面との間にスパークが頻発していなことを十分に確認してからお使いください。装着後も定期的に状態を確認する必要があります。
- カーボンブラシは、カーボン粒子が潤滑剤の役割を果たしますが、油脂や水分が混ざると、粒子が塊りとなり砥の粉のようにカーボンブラシを削ってしまいます。そのため、滑りやすくする目的で、潤滑油やシリコンスプレーなどを使うことは厳禁となります。想定以上にカーボンブラシが減ってしまい、通常よりも早く交換しなくてはならなくなります。
そのほかの注意事項
- 材質や形状、用途が特殊なカーボン電極をご要望の場合には、ご期待に添えない場合があります。
- 弊社提供の相当材のカーボンブラシは、従来からお使いの品物と同じ性能を保証するものではありません。
- 材質や細かい仕様を調べるためにサンプル品が必要です。サンプル品のご提供がないと製作の検討はできません。
- 弊社ご提供品とこれまで使用していた品物を同じモーターの中で共存させて使用することはできません。性能に違いがあることから、この状態で使用した際には、一切の補償の対象外とさせていただきます。
- 現在のご購入ルートによりましては、弊社での検討をお断りさせていただく場合がございます。
- カーボンブラシの大きさや形状、材質などにより最低製作数量以上でのご購入をお願いする場合があります。